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イラストを仕事にしよう!@つくっく

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モネとカミーユ

今国立新美術館で大規模なモネ展が開催されています。

「大回顧展モネ」
2007年4月7日(土)~7月2日(月)毎週火曜日休館。

http://www.nact.jp/exhibition_special/2007/monet/index.html

モネは印象派を代表する作家で日本で絶大な人気を誇っています。
印象派という名前自体、モネの「印象-日の出」から来ていて、
チューブ入りの絵の具が発明されたことにより、
外での風景の光の動きを捉えることの出来た「外光派」の代表だったのですが
そのあたりの有名な話はさておき、モネと最初の奥さんカミーユについて少しさわってみたいと思います。

描いていて最近とみに感じることですが、絵でも写真でも作品の中にその人の味わってきた感覚や情というものが、決してテクニックの向上だけでなく現れ出てくるものでしょう。(なんて今更とても当たり前のことを言っているようで幼稚だったなとも思っているんですが)

「散歩、日傘をさす女」
「散歩、日傘をさす女」(1875年)

モネがカミーユと結婚し、長男ジャンと暮らしていた頃です。非常に貧窮のなかにあり、そんな中、このころはたくさんのカミーユを画に残しています。モネの数ある絵の中でも私の一番好きな絵です。まばゆいばかりの明るさの中になんて愛情を感じる絵だと感じませんか?
1999年4月28日に東京都美術館でのワシントン・ナショナルギャラリー展でこの作品をじかに見ています。
しかしこの絵を描いた数年後次子ミシェルを生んだ後、子宮がんで1879年9月にカミーユは32歳の若さで、子宮がんで亡くなっています。困窮の中にあったため、満足な治療をうけさせることが出来ませんでした。この時モネは次の妻となる未亡人アリス・オシュデと関係を持っていますが、アリスは最後まで献身的にカミーユの面倒を診ていたといいます。

死の床のカミーユ
「死の床のカミーユ」(1879年 オルセー美術館)

ヴェールのかけられた死の直後のカミーユを「かわいそうなカミーユ」と言いながら、モネは描写しています。
「私の目はこの痛ましいこめかみに釘付けになり、彼女の血の気の無い顔つきを死が変えてゆく、その進みゆく変化の正確な順序を機能的に追い求めて、青・黄色・灰色の色調、何がいえるだろう?私はそこまで見てしまったのだ・・・」と友人に後語っています。
私は美術史を大学で専攻していたので、事実としての美術史は確かだとしても、美術史家の解説は、多分に主観の入っているものと捕らえています。死が妻の顔を変えていくさまを描写することを冷酷と捕らえる解説もたくさんあります。けれども私の主観では、愛している女性の変貌している様を唯一自分に出来る筆で捉えていくことが、彼女のことをカンバスと自分の心に刻み残していくことが、彼女への愛情表現であり、自分への慰め、鎮めの過程だったと思っています。

日傘をさす女
「日傘をさす女(右向き)」(1885年)

今国立新美術館で見ることの出来る絵です。「日傘をさす女」のモティーフはさらに左向きも残しています。モデルはアリスの娘シュザンヌ。可愛がった義娘ですが彼女も若く亡くなっています。この二点には顔がありません。モネの描いたのはやはりカミーユだったのではなかったでしょうか。これもとても美しい画ですが、最初の日傘のカミーユのあとでは、どこか空虚な印象を私は受けてしまいます。

モネは自分の作品に満足できることは最後まで無く、感じやすくてすぐに自信を失い、わずかな失敗にも絶望的になってしまう、感受性の非常に高い人物だったようです。アーティストというのは多かれ少なかれ感受性が高くてそれこそ本人はもてあましてしまう可哀想さがあるのではと思うのですが・・・

凪や凪ぐという言葉があります。風や波が穏やかになりさざなむような言葉をさすのだと思います。画にしても写真にしても、それはどうあっても静止しているけれども、モネの絵はいつもさざなんでいる。そんな風景を表現する中にモネは心の平安を求めたのかもしれません。

何かを思い、誰かを想えば心は揺れ動き、時に嵐になり、そして幸せに穏やかに思えるときは、しずかにさざなんでいる。静止しているときはむしろ感情を失っているとき。幅が大きかったり小さかったりと揺らいでいる状態があってこそ、人は人らしい自分を感じられるのかもしれません。
モネの絵に心地よく心の揺らぎをまかせたいからこそ、みな彼の絵の前に足を運んでいくのではないでしょうか。

(※5/21月BS2、27日(日)BSHiNHKのTV番組「迷宮美術館」で「モネ力検定」をするようです。もっと興味のある方はどうぞ)

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